昇華

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心理学的な昇華とは、防衛機制の一つであり、社会的に実現不可能な目標・葛藤や満たす事が出来ない欲求から、別のより高度で社会に認められる目標に目を向け、容認可能な行動に変容して充足させること。またその実現によって自己実現を図ろうとすること。例として、性的欲求・攻撃欲求など本能的な欲求を芸術活動などにエネルギーを向けかえることなど。

昇華は、主に性欲動から心理を考察した精神分析学の用語であるため、基本的には社会的・倫理的に容認されなうような性のエネルギー、つまり抑圧された性的欲求のエネルギーを他の社会的活動などに向けかえて葛藤を満たすというようなことになる。一般的には、学問や宗教、芸術・スポーツなどが昇華される対象ととなる。

ただし、基本的に昇華は、そうした葛藤のエネルギーを同レベルで解消するのではなく、より高次なレベルで解消するという概念である。

元々昇華は化学的な用語で、個体が液体を介さずいきなり気体になる(もしくはその逆)ことを示す。ということで、心理的な昇華は、感情エネルギーがその次元で解消されるのではなく、より高いレベルの行動に変化することを意味する。

昇華は性的エネルギーだけでなく、解消しようにも社会的に容認されないような葛藤をもつ様々な欲や怒りなどのエネルギーも昇華の元となる。

例えば今すぐに「罵声を浴びせ続けるパワハラ上司を殴りたい」という防衛を含んだ攻撃欲求があったとしても、実際に殴ってしまうことは傷害罪の対象となってしまうため、この怒りのエネルギー(裏を返せば欲のエネルギー)は、解消されることがない。

「あんな人間が上司として社会で容認され、一定の評価を受けているのはおかしい」

そうした怒りのエネルギーを保持することになる。一般的にはそのエネルギーを解消するために、娯楽に走ったりするが、そうしたものは昇華ではない。昇華となりうるには、より高いレベルでエネルギーが変換される必要があるためである。

ということで、昇華の例としては、例えば芸術であればそうした葛藤を絵画や音楽に変換したり、社会的な表現であれば、そのような人間が入りたくても入れないような素晴らしい会社を作るというような昇華のされ方がある、といったところになるだろう。

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Category:心理学

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