フォールス・コンセンサス

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フォールス・コンセンサス(false consensus)とは、「世のほとんどの人が自分と同じ意見をもち、自分と同じ行動をするだろう」と考える心理である。つまり、自分の考え方ややり方は普通で正当だと思い込みやすいという義務教育の成れの果て。フォールス・コンセンサス効果(false consensus effect)、偽の合意効果、総意誤認効果とも表現される。

「他人はどう考えるのだろうか?」とか、「他の人ならばどのように選択するだろうか?」とか、「そうした時の行動としてみんなはどうするのだろう?」というようなことを思い浮かべる時、「大半の人は自分と同じように考え、行動するだろう」ということを思い浮かべるというのがフォールス・コンセンサスである。

認知バイアスのひとつであり、いわば、「自分は常識人であり、自分の考えは常識に則っており、大半の人はその常識に沿って考えて行動するだろう」というような心の働きのことになる。

大半の人は自分と同じ考えであるという認知バイアス

フォールス・コンセンサス(false consensus)、フォールス・コンセンサス効果(false consensus effect)、偽の合意効果、総意誤認効果は、自分は常識を持っており、大半の人は自分と同じように考えるであるという認知バイアスになる。

この傾向には「みんなと同じでないと不安」ということで、よく言われる「常識」という曖昧なものにとらわれているということが背景にある。ただ、常識に反発するのも常識にとらわれているということに、「アバンギャルド」という言葉が大好きな自称アーティストたちは気づいていない。

社会的な仮止めの「正当性」を示すにあたって「常識」というものの説得力は強いが、多数決は本来的に何の根拠にもなりません。

どうして、みんな自分と同じだと思いたいのであろうか。当然に周りから「異物」だと思われたら攻撃されるかもしれないという恐怖心が根底にあるからである。

フォールス・コンセンサスと実際の意見や行動

「他の人はどう思っているのか?」ということが検討される時、「大半の人が自分と同じ意見を持って同じような行動するだろう」と考えてしまうのがフォールス・コンセンサスということになるが、当然ながら実際は人の考え方や意見など多種多様であり、一致することはない。実際の意見や行動は千差万別であり、同じ国にいる人同士、同じ地域に住む者同士でも異なるのに、文化風習や宗教観の異なる地域の人であれば、一致することは絶望的である。

例えば、外国人が日本に観光にやってきた時に、「何も言わなくても私達と同じような感覚でマナーを守ってくれるだろう」と考えるて野放しにしたとしよう。そんな感覚でいた場合は、フォールス・コンセンサスと実際の意見や行動のギャップを目のあたりにするはずである。

僕は「世のほとんどの人が自分と同じ意見を持って行動をするだろう」という考えは持っていないが、世の中が僕と同じ意見や行動をとらなくても別に僕は困らないと思っている。正しい思春期の一件のような行動を遊びでするだけであるから。むしろ世間の人は全然違う意見や行動を取っているだろうと思う。

アイツの恐怖心より導き出された「相手を管理しやすい」という常識、つまり何かをコントロールしたいというような意見が多いと思うからである。

「世のほとんどの人が自分と同じ意見や行動をするだろう」とは思わないものの、普通ではないが「自分の考えは正当」だと思っている(そうでなかったら今でもどこか悶々としているはずである)。

しかしながら、それも少し表現違いである。別に自分の考えが正当というよりも、「それはそうなんだからそのまま」というだけである(なお、外に表現されるときはどうしてもオリジナルの癖が出るが、根底にある理屈は特にオリジナルというわけではない)。

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Category:心理学

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