われわれ初心者!

俳優が他の俳優の演技を見るとき、彼は何と一切のものを推測したり見て取ったりしていることだろう!

中略

他方画家が、彼の前で動いている人間をどんなに別様に見ることであろう! 曙光 533 抜粋

合気道の袴は、相手に膝の動きをさとられないためにブカブカであると聞いたことがあります。

一方、画家はピカソ等々平面空間を抽象的に統合して捉えたりしています。

さて、「われわれ初心者!」です。初心者ということで「初心者と学力」あたりから進めていきましょう。

誰しも初めてやることに関しては初心者であり、そうした時は「何がわからないのか分からない」ということもよく起こったりします。

初心者と学力

先日、なぜか家族内で「学力」の話をしたのですが、これほどにまで時間をかけてどうしてあれほどにまで学力に差がつくのか、というところの答えが出ました。

「学力の付け方を教えてくれる先生や書物に出会えるかどうか」

というところです。

学力といっても、学校のテストの点を取る力だけではありません。

自分が全くに近いくらい知らない「ある物事」を知っていく時に、どれほどの速さでどれほどの深さまで知ることができるか、というようなところです。

それは結果的に学校のテストの点にも関わってきます。

こうした抽象的な学力自体がつくと、どんな分野でも活躍できます。

何がわからないのか分からない

よく、学習で「何がわからないのか分からない」というような状態になっている場面があります。

ただ、基礎的な「学ぶ力」さえあれば、そうしたことはなくなります。

自分の理解が追いつかない原因がわかるようになるのです。

それがわかれば、原因に働きかけていくことができます。

だからこそ、人が書いたようなものであれば、何でも理解できていくはずです。

ということは、学校にいようが学校を卒業しようが、一生「なんでもこい」になります。

単語の意味と基本的な文法や公式

なんだかんだで文章たるものは、その文章が肯定か否定か疑問くらいしかありません。そして後は飾りです。つまり追加要素です。

おっさんが息を吐いた。

というのが原型なら

脂ぎったおっさんが餃子の匂いのする息を吐いた。

は飾りだらけです。

国語など「?」がついていなければ、肯定文か否定文かというところですが、日本語の言い回しとして非常にわかりにくい国語表現があります。

「少なくともそうではないと言いきれなくもない」

というような感じですね。

公式でもなんだかんだで、その記号は「何を意味しているのか?」さえわかれば紐解いていくことができます。

文法も方程式も同じようなものです。

基本は、ある法則と、それに当てはめていくパーツの定義です。

国語や英語なら文法と単語の定義、数学や理科なら、方程式と数字などです。

何がわからないのか分からない、その原因は、今目の前に並んでいるものが何を示しているのかがさっぱり分からないという感じです。

例えば法律系の論文であっても、一つずつの単語の意味、専門用語の意味がわかっていけば何てことはありません。医学論文でも同じです。

そうしたものが何を意味しているのかがわからないから、全体的にわからないだけで、いくら法律系の論文でも日本語の文法さえ何となくわかっていれば、紐解けるはずです。

一応有名な例を出しておきましょう。

法学で習う犯罪の定義です。

「構成要件に該当する違法にして有責な行為」

というものですが、この場合は、「構成要件」と「違法」と「有責」について分かれば何となく分かるはずです。

構成要件とは、「こういう事をしたら犯罪ね」と刑法で定められている犯罪の定義、条件です。

もっと深い理解をするためには罪刑法定主義という「法律に書いていないことを犯罪とすることはできない」という事を知っておく必要がありますが、ひとまずはさておきましょう。

で、違法は、「違法性阻却事由」なんてなもので、「人の体に傷をつけたら犯罪だ」という構成要件に当てはまるものでも、「医療行為として患者の体にメスをいれる場合は除外されるよ」てな感じで「違法性はないよなー」という感じです。違法性があるかないかという感じですね。

で、最後の有責は、「責任がある人かどうか」ということになっていて、知的障害などが無いかとかそういう面で、責任を問うていいかどうか、というところになります。

一つずつの意味がわかれば、犯罪の定義が何なのかがわかりますし、「何となくの雰囲気」を超えて深い理解ができるはずです。

義務教育などでは、「何となくの雰囲気」で教えています。

数学でも記号の意味がわかれば何てことはありません。

ただ、テキストでは毎回毎回、そうした用語や記号の意味が書いてあるわけではありません。

でも重要なものは、覚えきるまで手元に早見表を作っておけばいいのです。

分からない問題が出てくれば、定義を再確認し、新しく出てきたものについては、重要そうなら追記すればいいのです。

そうしたオリジナルの早見表と電子辞書などがあれば、どんな科目の勉強でもすぐにマスターできます。

英文法のSVOなら、それぞれの定義を書いておくと理解が深まります。

学習と演繹

われわれ初心者! 曙光 533

Category:曙光(ニーチェ) / 第五書

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