お金を貯める増やすコツ

この「金融」テーマに関しては実は半年ぶりくらいの投稿になるようです。前回のお金を貸す人借りる人では、お金を借りに来る人の心理について触れましたが、やはり「お金テーマ」はみなさんの関心を引くのでしょうか、現段階で最も閲覧されている記事になっているようです。

インターネット空間でも、金融や投資・保険などは広告収入の単価が高いので、様々な記事が乱立していますが、記事を書いている人はほとんど素人です。株式の運用に関しては実際にトレードをしている人もいるでしょうが、広告目的のサイトはほとんどが素人です。あふれている情報を「まとめ」として書いているだけですから、情報は手に入れることができるかもしれませんが、目的が広告のクリックなので、「しらこい営業」と変わりありません。

余談ですが、昔「ハゲタカ」という小説がありましたが、非常に参考になります。なかなかおもしろいですよ。ドラマ・映画版もありますが、勤め人時代に全部観ました。その時によく出てきたのが「世の中は金だ 金が悲劇を生む」という言葉です。世のトラブルの大半は、男女間に関するものか、金銭トラブルですから、それもまあわかる話です。別に生むのは悲劇だけではありません、喜劇も生んでくれるのですが、お金をもって得たい最終地点は「お金を頭から消すこと」です。使い切れない大金があれば実際にそうなりますから、それが最終地点です。別にその最終地点にたどり着くには「いくら」と決まっているわけではありませんが、ひとまず大半の方がお金に主従関係を逆転されている、正確に言えばそれはお金のせいではありません。自分で勝手にお金の奴隷になっているだけで、「お金」そのものは中立公正です。自分は中立公正なのに勝手に「お金のせいで悲劇が起こる」と言われてしまうお金の気持ちになってみましょう。もちろん運ぶのは人間ですが、お金というシステムのお陰で、アメリカまで行かなくてもアメリカに送金して、対価を支払いアメリカから物を運んでくれるということが実現しているのに、その恩恵は無視して、悪者にされているお金の気持ちをです。

さて、貨幣概論のようなお勉強の類に脱線しそうなところで本題に入って行きましょう。といいつつ、本題に入る前に少し、このページの趣旨について触れておきます。

お金を貯めるということ

お金はなるべく貯めなさいという意見と、それでは経済が循環しないという問題があります。それはミクロ(微視的)とマクロ(巨視的)をごっちゃにしているだけで、社会よりも自分自身です。前者は、個人や一企業、後者は国家や市場など社会全体の話です。本来到達したい地点は、「目くじら立ててお金を貯めなくてもいい」という心理状態です。「だれが?」という問いには確実に「自分」が入るはずです。「社会が良くなった、よかった」と感じるのも自分ですから当然です。優先度合いを間違ってはいけません。

ただ、世の中には義務教育に組み込んでもいいのに、組み込まれない題材があります。おそらく、それを教えてしまっては儲からない業界があるからです。その一つが、金融です。

金融と一言で言っても、個人レベルではお金を貸したりしてもそれを主軸にしている人は少ないでしょう。不動産屋の金主などで、ちょいちょい稼いでいる人がいても、そんな話を聞いても雲の上の話です。自分には関係無いような話です。そんなことよりも、すぐに使える技の紹介がいいのかと考えますが、たくさんの小技から帰納法的にある考え方が導き出せればいいのですが、それができないからいざというときにお金を借りなければならない人が生まれています。

そんなこんなで、いくつかの手法に触れつつ、貯まりやすい思考パターンというものについて触れていこうと思います。もちろん業界人や、多少の知識のある方はご存知のような話になります。今回は家計レベル・個人レベルのお話です。

お金の置き方

同じ100万円でも、どこに置いているかで、期間が長ければ長いほど結果は変わってきます。現金で手元においていても、増えることはありません。現金のまま持つと、インフレ/デフレの目安でインフレに向かえば、実質上はマイナスになります。逆にそのお金を借りてしまえば、借りている期間が長ければ長いほど費用がかさみます。お金が貯まる、お金を増やすとは逆行した流れになります。

現金と普通預金

現金には金利がつきませんが、支払うべき時に支払えるという、手元にお金があるという最大の流動性をもった持ち方です。基本的には普通預金にばっかり入っていると思いますが、この普通預金という口座も軽視しないほうがいいでしょう。預金金利というものはあてになりません。ただ、現金で持つよりは少しマシです。それよりもこのお金の置き方は、「すぐに出せる」という流動性確保のために最重要な口座です。陥りがちなのが、すぐに出せないからといって、他で借りたり、タイミングを逃してしまうことです。すぐに使えるということは一つの強みです。これを逃してしまえば余計な費用がかかったりします。

ATM手数料と預金金利

その費用分を運用で取り返すことを考えれば確実にある程度の金額はこの普通預金に置いておかねばなりません。引き出すにあたって、手数料を取られていては、その費用を取り返すのにどれくらいの金額をどれくらいの期間預けなければならないのでしょうか。そのことを考えると、現金の強みである最大の流動性が活きてきます。今、現金がないからと深夜にATMで手数料を取られるような口座ばかりだと、どんどん費用がかかります。カードのキャッシングリボ払いなどもっとトンチンカンです。コンビニなどで24時間手数料なしで引き出せる普通預金口座を一つくらいはもっていると、これはすぐに解決します。これと手数料のかからないゆうちょ銀行などを使うと、コンビニ+郵便局ということでかなりの範囲で利便性良くATMを利用できます。財テクに走るよりは、まずこう言った無駄な費用を削ることです。手続きは一回で済みますが、恩恵は一応一生ですから、使うに越したことはありません。お金を借りるくらいの人は確実にこういったことを軽視しているでしょう。これを「めんどくさい」と思ってしまうような人はお金に嫌われます。最近では預金高に応じて引き出し手数料無料というシステムをとっている所もあります。

現行の数値での一例

一応現行の数値を示しておきましょう。

某メガバンク 時間外預金引き出し手数料

コンビニATM 手数料 216

定期預金金利(2015年2月)

0.025%

100万円×0.025%=250円

250×0.8=200円(税引後)

100万円を1年間定期預金に入れておいても取り返せません。

お金を増やすということ

結局はお金の置き方にはなるのですが、お金を貯めて、増やすということは、貯まった分をどうしておくと増えるのかという点で、様々なパターンがあります。基本的には流動性と時間とリスクです。そのポイントだけわかれば、あとは勝手に見極めるクセができてきます。

流動性を金利に変換

ということで、現金・普通預金は支払い確保・無駄金を省くのために意外と重要だという点について触れましたが、この流動性というものを少し固定化するだけで、より有利な金利というものが生まれます。

理屈としては、金融機関にお金を預けるということは相手に貸すということですから、「すぐに返せとは言わないという約束」があれば、相手はその期間そのお金を有効に活用して利潤を得やすくなります。いつ引き出されるかわからないということになれば、安心して預かっているお金を有効活用することができません。その代表例で馴染み深いのが定期預金です。

定期預金

なぜ定期のほうが金利が高いのかは、すぐにわかるような話です。銀行は企業などにお金を貸していますから、いつ引き出されるかわからないお金か、1年間は返さなくていいという保証付きのお金かで言えば、結果的に両方1年間引き出されなくても、1年間引き出さないという保証付きのモノのほうが安心して使えます。それだけのことです。

ただ、最近は預金金利が雀の涙です。普通預金から定期預金に預け替えても、しれています。ただ、ネットバンクなどでは、金利が高いところもあります。無リスク運用として最もわかりやすいこの定期預金ですが、この定期預金を活用するときにでもコツがあります。

ブレッド型とダンベル型、ラダー型

ポートフォリオという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、分散投資などです。別に投資にかぎらず、債券などにも使われています。つまりは分散させるということです。特定年数一極集中をブレッド型と言いますが、これがほとんどではないでしょうか。

その他にも短期型と長期型だけをポンポンと組み合わせるダンベル型(両端が盛り上がっているという意味でしょう)、とラダー型と言われる短期中期長期をまんべんなく組み合わせたような類型があります。

長期型の方が金利が高かったりするので、流動性確保のために短期型を、高金利で利潤を稼ぐための長期型、という組み合わせをしましょう、というようなことです。

同じ100万円でも10年後の子供の学費のために置いておくなら、1年定期を10回繰り返すよりも、10年定期で高金利を目指しませんか、というものの場合、何かで急な入用が会った場合、他で借りるのも馬鹿らしいから50万円だけ1年、50万円は10年というような組み方にしましょう、というようなことです。例えば、急に「来年には50万円いる」ということになれば、100万円を10年で確定してしまえば、すべてが「中途解約金利」になってしまいますが、2つに分けていた場合は1年定期だけを「自動更新をやめる」という形を取ることができます。高金利と流動性についての中途解約リスクを分散させるという意味で、用いられるような手法です。その手法として、長期と短期に分割や長期と中期、短期など、様々なパターンが考えられるということです。金額は細かいですが、理論的にはそんな所です。

ただ、定期預金に限っては最低預入金額というものがあります。先の例でカンの良い方はもうお気づきだと思いますが、1年定期でも100万円を一本の定期にするより、最低預入金額が10万円なら同じ1年定期でも10万円を10本にしたほうが有利だということです。

途中で急な入用があって解約した場合、前者なら全額の100万円が中途解約金利になりますが、後者なら、必要な分だけ解約して、残った分はそのまま継続できます。また、こういった事例から、1年ものと6ヶ月ものが同一金利だった場合は、6ヶ月を自動継続にしておくべきなのは言わずともすぐにおわかりでしょう。

保険という金融商品

保険というとリスクに対する補填という属性が一般に知られているところですが、金融商品です。本来の目的はもちろん何かの出来事に対しての金銭的予防策ですが、少し考えてみると生命保険の医療特約や医療保険でも、誰かが病気になって保険金を手に入れて、その保険金を使いながらまた保険料を支払っていったりしています。つまりはしかるべきとき、お金が必要なときに一応支払えるだけのお金が前倒しで来るだけで、結局保険料としてまた吸収されている、という属性のものもあります。医療保険は特にその性質が高いでしょう。

生命保険も本来は逸失利益についてのリスクをどうするか、というようなものですが、若い人の終身保険を一括払いや全期前納払いで支払って数年後に解約しても、払った分より多いお金が返ってきます。同様に年齢が若ければ養老保険、学資保険も返戻率を考えれば預金などに置いていおくより高金利になります。しかも間は死亡保障がもちろんついており、上限もありますが節税にもなります。その実質金利を換算すれば、うまく使えば程よい低リスク運用になります。ただ、中途解約によるリスクなどが高いので、確実に置いておくお金でないと、結局損することになります。貸付などは損ですから、運用目的なら絶対に利用してはいけません。

一つ注意点があるとすれば、保険屋は素人が多いという点です。「売る」ための研修ばかりされているようですから、運用に関する利用の場合、彼らに相談はしないほうがいいでしょう。計算だけさせて、相見積をとって自分で組むのが原則です。

近年では銀行での窓販こと窓口販売が好調のようです。低金利時代に、預金から一気に一括払い終身などに鞍替えさせる手法です。本来の「銀行」としては何をしているのかわかりません。

機会があれば(つまり気分が乗れば…)、保険での運用についても触れるかもしれませんが、ここでは割愛させていただきます。

投機的運用

株式を筆頭に、投資信託、そしてFXなどの金融派生商品については、ギャンブル的性質があります。先ほどまでの金融商品は、リスクと言っても「中途解約によるリスク」です。原則的に変動はありません。つまり金利や元本はほとんど確定しているケースです。保険による運用でも、中途解約をすれば元本が割れたりしますが、その期間商品を保有すれば、元本割れはありません。

しかしながら、「投資」とよばれるものは、市場による「価値」の変動リスクがあります。つまりは、預けっぱなしというわけにはいきません。変動に対応し、損切りする時は損切りしなければなりません。

このような性質をもっている金融商品はタイミングが命ですから、いつでも売り買いできる状況にないならば、手を出さないほうがいいでしょう。

投機的性質は何も株式市場だけではありません。銀行などで堂々と売っている外貨預金なども「為替変動リスク」があります。銀行側は、為替手数料などの収益が目的です。預金者のことは頭にありません。例えば変動するような性質のある外貨での定期預金などは、為替レートが急激に変動したからといって、急に対応できないでしょう。土日しか動けない人が、1年定期にしている場合、そんな為替変動には対応できません。このようなものは、投機的でなさそうですが、投機的性質をもっていますので、安易に手を出さないほうがいいでしょう。

銀行はたまにキャンペーンと称して高金利かのようなポスターを作ってひとまず窓口にまで呼び込んだりしますが、「年利1%」と書いて下の方に(最初の3ヶ月)と書いてあったりします。いわば釣りです。気をつけましょう。

いくらでも仔細に書けるような項目ですが、投機的運用についても今回は割愛させていただきます。

なぜわざわざ貯めて、増やすのか

さんざん長々と書いてしまいましたが、まだまだ書ききれません。しかし延々と話が続いてしまいそうなので、そろそろ結びの項目に突入することにします。

最終地点は「お金が気にならないようになる」という点を目指すべきですが、それには使い切れないほどのお金を持つか、阿羅漢レベルにまで悟るくらいしかありません。使い切れないほどのお金を持っても、まだお金に振り回されている人がたくさんいますから、たくさんのお金を蓄えることだけでは、辿りつけない境地なのかもしれません。

ただ、普段生きていても、ある程度の蓄えがあることによって、苦しさが減るという局面があります。ひとつは、思いを形に変えられるということ、そしてもうひとつは、苦しみをお金で解決できるということです。前者は感謝を示すために使えるというような時ですが、後者はなんだか「何でもカネで解決」という邪なふうに見えますが、それとは少し違います。たくさんのお金を持てば、ブラック企業に勤めたり、嫌な取引先と関わらなくて済みます。嫌な人から離れて生活することもできます。自信を持って嫌いな人に「嫌いだ」と伝えることができます。嫌いな人に頭を下げなくてもよくなります。

ただ、それはお金を持たなくてもできることです。お金を貯めることは、必須条件ではありません。しかし、普通に生きていてはまだまだ気にしてしまう事柄ではあります。まして、貯めるどころか借りに走ってしまう人もいっぱいいるわけですが、まずはそういうイザコザを少しずつなくしていきましょう。

財テクなどに走るよりも、普通に働いて、無駄金さえ減らせば勝手に金持ちになります。無駄金を使ってしまうのは、前回の投稿の「お金を借りる人」のパターンがほとんどですが、さらに一歩進んで、ちょっとした金融思考ができるようになると、無駄はもっと減ります。

ポイントは、流動性がもたらす利益と、時間がもたらす利益と、リスクです。

貯めることにムキになる前に、その分の金利を稼がなくていいような節制方法がたくさんあるはずです。節制は吝嗇とは違います。人はなぜか収入には着目しますが、費用についてはあまり着目しません。

増税前だからといってガソリンを入れに行って浮くお金は数百円です。ガソリンスタンドまでのガソリン代、だらだらガソリンスタンドの前で並んでいる間の時間、車を動かした時に起こる資産減耗なども考えたほうがいいでしょう。下手をすればそういう無駄なことをしている間、インターネット上でデータ入力の内職でもしている方が、得かもしれません。

「増税」によって自分の行動が左右されている、それは「お金にとらわれている証拠」です。自分のやりたいことをさておいて、お金のために行動している、なんとも馬鹿げた姿ではありませんか。しかもそんなに節制になっていないというオチまでついています。

下手に運用など考えずに、無駄を減らしていくことの方が楽で簡単で、確実に金持ちになります。

その上で、なんのために金持ちになりたいかを改めて考えるといいでしょう。

Category:finance お金に関すること

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