お客さんのお客さん

昔、頭文字Dを観ている時に、ふと思ったことがあります。

乾信司との最終戦でも出てきたブラインドアタックですが、かつてのバトルでは、相手の車体を見るのではなく、相手のヘッドライトの照らしている先を見る、という旨のことを言っていました。

同じようなことを、似非コンサルタント達に言いたい、いや、言いたいと思った瞬間に本人や、そんなコンサルにお世話になっている、もしくはその予備軍には言いますから、既に言って回っています。

いつでも「客単価をあげるために」とか「回転率をあげるために」とか、「集客アップのために」とか、そういったことばかり議題に上がっているような気がします。

広告屋も同じことです。

それが良いサービスであり、そういったサービスを求めている人に発信するのはかまいませんが、自分たちのお客さんのお客さんのことは頭にあるのかが疑問です。

「こうすればもっと思いが伝わります」とかならばいいのですが、どちらかというと、エンドユーザーを騙すとまではいかないものの、勘違いさせて単価を上げたり、都合のいい方向に誘導させようという手法ばかりがセミナーで取り扱われているような気がします。

ぽっと出の居酒屋、粉もん屋に代表されるように、「儲けよう」としか思っていない割に「夢」などという言葉を掲げ、その夢とは何かといえば、自分が高級車に乗り、同級生に羨ましがられたいというような内容が大半でしょう。

コンサルタントや広告屋が見るべきはお客さんのお客さんであって、お客さんだけ見ていてはいけません。

うちではその取扱いは厳しく、ややこしいような方からの仕事は受けないようにしています。

980円の焼きそばとカフェ飯

以前、飲食店で偶然テレビがついていたので観ていたのですが、焼きそばが980円、とパスタ感覚の焼きそば屋が特集されていました。

焼きそばが980円なのはいいですが、僕ならば4皿くらい食べなければ満腹にならないような量です。

「たくさんいろんな味を食べてもらいたい」

というような事を言っていましたが、この店に行くことは無いでしょう。

すいませんが、衣服であれば防寒、食事であれば栄養の摂取がまず最初に満たされなければなりません。

それ以上のことは感情です。そしてそれはほとんど優越感のために食べています

しかしそんなものは、宙に浮いた虚像であり、個人的には衛生的で栄養が偏らないのならば、本当に残飯でも結構だと思っています。サイズが合って、機能が十分であれば、フリーマーケットの「どうぞお持ち帰りください」の服でもいいと思っています。別に年収が十倍になろうが、この感覚は変わりません。

衣服に関しても、デザインより先に「腹が冷えない」ことが優先されます。

カフェなどに連れて行かれた時に出てくる昼食セットは、明らかに二人前ほど食べなければ、体が動きません。

しかしそれも当然です。

僕の体重の半分くらいの女性に合わせて作られているのですから、量としてはそんなものになるでしょう。連れて行かれた側は大変です。

しかし選ぶことも出来ないというのは、なぜでしょうか。

それは、ひとつ「儲けてやろう」という貪欲と、多様性を考えることの出来ない想像力のなさがそうさせています。

そういったところでは、コーヒーだけ頼んで、コンビニでおにぎりでも買うことにしています。

そういった方の「夢」に加担することはしない、ということです。

いくら旨いものが出てこようが、受け取り手の集中力で味は変わります。そしてそれには限界があります。

そしてアイツというものは、たくさんの味を記憶しています。いつでもその気になればノンアルで酔うようにアイツを騙せばいいだけです。

そんな助平心はすぐにバレる

残念ですが、京都という土地柄は、一度は目新しい物を受け入れるものの、その時に助平心が見えた瞬間に次はありません。いや、京都でなくてもそうでしょう。

何のためのサービスか?

A. 儲けるため。

というのが見えた瞬間に、再度訪問することはありません。

そこで売上が落ちた時にコンサルが吹聴することといえば、小手先のお客さん騙しか、「広告戦略」などと言って広告を打つことをすすめるくらいでしょう。

儲けることがいけないわけではありません。むしろ儲けを出すことは立派なことです。立派なことなのですが、儲け方が不自然だと、一発で見抜かれてしまうということです。お客さんはゲームの登場キャラではありません。数式化して、確率論だけでは動いてくれるはずがありません。

自分がそのようにしか見られていないと感じた時、自分自身でそんな「駒」に成り下がるかどうか考えてみればすぐに分かることです。

だからこそ、ぽっと出の居酒屋は現れては消え、現れては消え、ということを繰り返しています。なぜならば、リピーターがつかず、無駄な広告費を費やして一見さんばかり相手にしているからです。

リピーターがつけば、新たに広告を打つとしても数を減らすことが出来ます。

広告業界では、広告を打った時と打たない時の集客の差で、予算組を決めてもらったりするそうです。まあ当然でしょう。

「打たないと誰も来ない」は新規オープンでもない限り、おかしな現象です。

けちくさい手法で、見抜かれながらも「セコく掠め取った幾許かの利益」をまた広告屋に吸収されているわけですから、何をしているのかわかりません。

宙に浮いた想像の中の新規顧客より、今目の前にいるお客さんに満足してもらう、せめて最低限がっかりさせないということを、広告費やコンサル費を擲って投げ打って、自らの頭で考えて行うべきでしょう。

Category:company management & business 会社経営と商い

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