ハコベの花

繁縷(はこべら、ハコベ)

繁縷(はこべら)は、ナデシコ科でインコなど小さい鳥が大好きな草です。旧字では蘩蔞と書くようです。ハコベは背の低い草本で、一年草(気温の問題でしょう)、越年草・多年草で、ナデシコ科ハコベ属をさしますが、単にハコベというときは、ハコベ属の1種であるコハコベミドリハコベをさすようです。春の七草としてのハコベは、このコハコベかミドリハコベのようです。

ハコベ

ハコベの茎は株状か1本立ちで、茎を二分岐させ地を這うように枝分かれして密集した群落を作ります。ハコベの茎には節があり、節ごとに葉を互生します。葉は扁平で、茎の下部に葉柄があるものと無いものがあります。茎を無造作に毟ると筋が糸のように出てきます。

花は集散花序か茎先や葉腋に単生。花弁、萼片は5個で、花弁は白色や緑色で5弁ですが、花弁が真ん中で切れ込むため、10弁に見えます。花柱は3個、雄蕊は10個、果実は蒴果で6裂です。

繁縷という字の繁は、文字通り「繁(しげ)る」から、蔓延り繁るという意味で、そして「縷(る)」は「細々と連なる糸筋」という意味があることから、茎を毟ると筋が糸のように出てくる特性から、と推測されています。

コハコベ

ナデシコ科ハコベ属の越年草。小型の草本で、草体は10~20cm。茎はよく分枝します。雄蕊は(おしべ)は1~7本。花柱は3個。花期は3~9月で、白色の花弁を5枚つけます。各花弁は2深裂して10枚に見えます。外来種(ヨーロッパ原産)のようです。道端や畑に自生しています。

コハコベの果実は、さく果と言われる形態で、先が尖ってたまご形、萼よりも少しだけ長くなり、先端部が露出しています。熟すと6つに裂開して種をぱらぱらと、下にこぼします。

コハコベの種は、黄褐色で1mm程度の大きさで、表面に細かい突起があります。

葉野菜として食用にされており、また鳥類が大好きな草なので、ニワトリの餌などになることもあります。インコもコハコベが大好きでした。コハコベも春の七草の一つです。

コハコベの茎の生える毛

コハコベの茎には片側にだけ一列に細かい毛が生え、この毛によって葉などにたまった水分を根本に送るという特徴があります。体毛みたいですね。この特徴により、冬季の乾燥にも水分を効率よく吸収しているようです。

ミドリハコベ

コハコベと同様に、ミドリハコベもナデシコ科ハコベ属の越年草。草体は10~30cm。花期は3~9月。こちらも茎はよく分枝します。コハコベと同じように茎の片側にだけ一列に細かい毛が生え、葉は対生します。雄蕊は(おしべ)は4~10個。花柱は3個。さく果は卵形で6裂する。こちらは種子にとがった突起があります。

ミドリハコベとコハコベ

ミドリハコベ(Stellaria neglecta)コハコベ(Stellaria media)の違いですが、コハコベは、帰化系統でヨーロッパ原産の外来種と考えられています。コハコベは、茎が暗紫色を帯び、雄しべは1~7個で、種子の突起は低くてとがらないという特徴があります。

ミドリハコベは在来系統、つまり昔から日本に存在していたと考えられているようで、緑色が強くまさに「緑ハコベ」です。

ミドリハコベとコハコベとの見分け方は、種の突起の様子が一番わかり易いでしょう。種子の突起が低くて尖っていないほうがコハコベ、尖った突起があればミドリハコベです。ギザギザした突起があります。雄蕊の数も異なり、一般的にはミドリハコベのほうが雄蕊の数が多いようですが、中間的な数のモノが多くそれほど鑑別基準としては信頼できないようです。

よく比較されるのは、コハコベとミドリハコベで、この二つは春の七草として扱われるからのようです。

ウシハコベとイヌハコベ

春の七草としてよく比較される、コハコベとミドリハコベですが、この二つの他にもハコベはあります。それがウシハコベとイヌハコベです。

ウシハコベ

ウシハコベは、雄蕊が5~10個で、葉が大きくたまご形をしており、コハコベとミドリハコベは花柱が3つに対してウシハコベは花柱が5つあります。この点がウシハコベと他のハコベとの鑑別点であり、花柱の数が違うので、ウシハコベはウシハコベ属として取り扱う考えもあるようです。高さ20~50cmとハコベと比べると全体に大型であることから「牛」がついて「牛繁縷」と呼ばれるようです。

イヌハコベ

イヌハコベは、花弁がなく(無花弁)、開花しても花弁が無いため、5枚の緑色の萼片(がくへん)が目立ちます。萼(がく)の基部に赤紫の斑紋があり、日陰では赤紫色が薄く出る傾向があるようです。こちらは外来種で、ヨーロッパ原産です。都市部で急増しているようです。

コハコベやミドリハコベも気温の高い時期には無花弁型で開花することもあるようで、花弁での鑑別は難しくなることがあるようです。その際はやはり萼の基部の斑紋が手がかりになりますが、イヌハコベも環境によって斑紋の色彩が不明瞭となることもあるようで、環境によっては鑑別が難しくなるようです。


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