猪子槌(いのこづち)

猪子槌(いのこづち)は、ヒユ科イノコヅチ属の多年草。空き地や林の道の脇などに自生しています。猪子槌(いのこづち)の花はやや小型で緑色です。茎の断面は四角形で節が固い。 高さは1m程度。 葉は対生して、先の尖っている楕円形、長さは15cmほど、両面に毛があります。花被片、雄蕊は5つ雄しべと雌しべの間に仮雄しべもあります。猪子槌(いのこづち)も夏の七草です。

茎の節が膨らんでいて、猪子の膝やイノシシの踵のように見え、これを槌にたとえてこの名がついたようで、ヒナタイノコヅチに対して日陰猪子槌(ヒカゲイノコヅチ)、フシダカ、コマノヒザとも呼ばれるようです。この膨らんだ部分は、虫のコブの場合が多く、切断すると虫の幼虫が出てきたりするようです。

イノコヅチはヒナタイノコヅチに比べて葉が丸く、花序もまばらです。果実の基部にある半透明の膜上の付属体が目立ちます。

夏から秋にかけて、茎の上部または葉腋から10cm~20cmの細長い穂状花序を出して、緑色の小花を多くつけ、果実は胞果。 小さく尖った苞葉は花の基部に3個。これは果実の熟後も残り、 とげ状となって動物や衣服に付着し、種子を散布するようです。

イノコヅチの氷柱現象

初冬の冷え込みの強い朝など気温が著しく低下している時は、イノコヅチの枯れ枝に白い氷がつく事があるようで、この現象を氷柱現象と言うようです。シソ科やキク科の一部植物でも起こるようです。

晩秋以降の寒い冷え込みの朝に、枯れた茎から白い水がぬるっと出てくることを氷柱現象と言いますが、初冬ではまだ茎の芯が生きており、水も吸い上げるため、茎の中の水が凍ってしまうという現象のようです。その時、水よりも氷のほうが体積が大きいため、茎の皮を破って凍った部分が外に出てくるということのようです。

生きている植物の茎の中が凍ってしまうという条件が揃えば、どんな植物でも起こりうる現象ですが、寒さに耐えられない植物もいるので、その際は水の吸い上げが起こりません。その点で、生きていながら、凍ってしまう、裏を返せば茎の中の水分が凍っても、水を吸い上げるだけの力を持つ生命力を持った植物という条件になりましょう。その条件に合致しているのが、イノコヅチやシソ科キク科の一部の植物のようです。

Category:植物

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