寝たきりうさぎとの過ごし方

先日の「うさぎの死 さようならわが息子よ」で予告しましたとおり、「寝たきりうさぎとの過ごし方」について書いておこうと思います。何度か斜頸(しゃけい)症状が出ていましたが、10歳半の高齢うさぎだったため、最終的な死因は老衰だったと思います。

うちのうさぎは、「神経症状を抑えるステロイドの効きめが限界に来たようだ」ということで、片足不随になりつつ、マッサージ等々で回復と再発を繰り返しながらも、ある時点でまっすぐに立とうにも足に力が入らないようになり、その後寝たきりになりました。

以下は、獣医との相談の上で僕自身が「うさぎの最期」まで行った全ての介護方法です。高齢うさぎであることを配慮して、獣医との相談の上であえてやらなかったこともありますが、もしうさぎが斜頸になったり寝たきりになったり具合が悪くなった時にパニックになる人が少なくなるようにということで書き記しておきます。

まず第一に、こうしたうさぎの寝たきり状態などを良いことに商品を売ろうとするアフィリエイターの商品紹介を信用せず、獣医師を信用してください

動物病院で獣医師から処方してもらえるものや、ホームセンター、ドラッグストアなどで手に入れられるようなものばかりですので、商品を売ろうとするような記事は参考程度にして、動物病院の獣医師に信頼をおいてください。

抗生物質とステロイド

うさぎに与える抗生物質に関しては、お腹を壊しやすいということだったので寝たきりになってからは、ステロイドのみになりました。こうした薬を与えるようになったのは、養子のうさぎが斜頸になったときからです(うさぎの斜頸)。

抗生物質とステロイドの処方で斜頸は何度か治ったことがありますが、寝たきりになった時点では既に高齢だったため、老衰のことも加味して神経症状を抑えるためのステロイド一本となりました。

抗生物質と下痢

抗生物質をやめた理由としては、第一に消化器官への負担です。人間でも小腸を中心とした腹回りは生命力の源です。

斜頸になったとしても、斜頸そのものよりも食欲不振による体力低下のほうが問題視すべき事柄です。

原因となる菌への抵抗力なども含めて、しっかりとエネルギーを摂ること、それがいちばん大切です。そして、口に入れたとしても、それがうまく消化吸収されなければ元も子もありません。

そういうわけで下痢になった時には整腸剤を処方してもらいました。お腹の調子に関する事柄については後述します。

眼振とステロイド

抗生物質をやめた後でもステロイドの投薬は続けていました。その理由は眼振です。

いわゆる目が震えるやつですね。いつもいつもというわけではないのですが、寝たきりになってからも稀に、そして寝たきりになる前でも斜頸時には稀に眼振が起こっていました。

そういうわけで、車酔いのような形で視界がぐるぐる、頭はふらふら、という感じになるようなので、そうした神経症状を抑えるためにステロイドだけは与えていました。

なお、ステロイドは急にやめると体に良くないようですので、やめる場合でも量を半分にしたり、間隔を倍にしたりしつつ、フェードアウトするように投薬をやめていく必要があるそうです。

寝たきり時の水分摂取

うさぎの水分摂取についてですが、健常時であれば給水ボトルなどから自発的に摂りますが、寝たきりになるとそれと同じようにはいきません。

ということで、シリンジ(針のない注射器)で口まで持っていって飲んでもらうという形になります。

しかしながら我が家のうさぎは両目とも白内障です。おそらく全く見えていません。一応寝たきりになる前から数回斜頸になっており、その都度シリンジを用いて生搾りにんじんジュースや生搾りリンゴジュースで薬を与えていたので、感覚はわかっていたようですが、普通の水は無味無臭です。

そこでどうしたものかということで、相談の上選択肢したのが薄めたポカリスエットです。

うさぎにもポカリスエット

獣医師によると、馬でもポカリスエットを飲むということでした。しかしポカリスエットを与え続けると水を飲まなくなるということでしたので、普段はやめておいたほうがいいと思いますが、寝たきりになってあまり水を飲まないということであれば、ポカリスエット作戦が効果的です。

しかしながら、スポーツドリンクならば何でも良いというわけではありません。人工甘味料としてのアセスルファムKなどが入っているようなものは論外です。

また、アクエリアスには昆布エキスが入っており、うさぎに昆布というのは避けておいたほうがいいと思いますので、ポカリスエットが無難です。

ただし、普通の濃度では濃すぎるので水で半分以上に薄めましょう。

コスト面や使い切りの面を考えると、粉末状のポカリスエットを用いるのが最も理想的です。濃度の調整は難しいかもしれませんが、なるべく薄めを意識すればそれほど厳密に考える必要はありません。

うちのうさぎもポカリスエットを飲んでいましたので、もし水分補給に頭を悩ませている場合はポカリスエットを試してみましょう。

薬を飲まない時

抗生物質やステロイド等々は基本的に、にんじんジュースやリンゴジュースに混ぜて飲ませますが、下痢気味のときには稀に水分を嫌がる時があります。水分と言っても量的にはシリンジで一回であれば、2.5mlや5ml程度ですが、それでも水分を嫌がる時があります。

そんなときには、みつばや春菊など、うさぎが食べられる野菜に薬の粉をまぶして食べてもらうのも一つの方法です。

うさぎの食餌

うさぎは草食動物です。ということでわれわれ人間とは食生活が大きく異なります。

基本的には粒状のペレットやチモシーなどの牧草を主食としますが、それ以外にも野菜や果物を食べることができます。

しかしながら雑食のわれわれとは異なり、食べてはいけない野菜や果物、穀物があります。

うさぎの健康を考えると、チモシーメインの食餌になりますが、寝たきり時には、そんなことは言っていられません。

「いっぱい食べろよ!」という感じで、うさぎが食べられるもの、うさぎの好物を、過保護と言わんばかりにでも与えつつ、ひとまず食べてもらうことが先決です。

チモシーで腹を動かす

獣医師によると、人間では噛みちぎれないほどの「固い繊維質」が草食動物のお腹の健康には大切だそうです。固い繊維質を摂ることで腸の正常な運動を促すということでした。

うさぎの食餌として主食に当たるペレットや牧草ですが、ペレットは柔らかすぎるため、キーポイントはチモシーなどの牧草になります。

チモシーをたくさん摂ってもらうことでお腹の調子が良くなるという感じです。

しかしながらうちのうさぎの場合、寝たきり時にはあまりチモシーを食べませんでした。でも、食べないということはマズイので、何でもかんでもひとまず食べてくれそうなものはたくさん与えました。

食糞ができない

うさぎには食糞という習性があり、草食動物ならではですが、自分の分を食べます。と言っても、糞には二種類あり、排泄用と食糞用があるという感じです。

動物性タンパクと摂らないため、植物を摂りつつ腸の中でバイオの力を借りてタンパク質を生成し、それをまた食べることで体を作るという草食ならではの生き方です。

しかし寝たきりになるとそれができなくなります。そういうわけで、どんどん体は痩せていきます。しかしそれは致し方ないことです。

グルメなぼっちゃんうさぎ

うちのうさぎは、ぼっちゃんうさぎです。寝たきりになってからというもの、家族を筆頭に、家族の職場の人達、近所の人達などからたくさんの差し入れがやってきました。

イモ類やほうれん草、柑橘系など一部の穀物、野菜や果物は食べられませんが、寝たきりになってからというもの、セリ科、シソ科、キク科、バラ科などを筆頭にたくさんの種類の食べ物をいろんな人からもらっていました。

「うちの庭で育っていたセロリ」

といったようにいろいろな人が我が家に持ってきてくれました。

ここで寝たきりになったうさぎが食べていたものを列挙しておきます。

三つ葉、パクチー、パセリ、人参、大葉、バナナ、りんご、セロリ、春菊、金時人参とその葉。

それ以外にも昔食べていたものを列挙しておきます。

たんぽぽ、せり、ミント類、バジル、えごま(これは好きではなかったようです)、かぶ、大根の葉、フリルレタス、サニーレタス、イタリアンパセリ、ルッコラ、大葉、チャービル、菜の花、チンゲンサイ、水菜、壬生菜、パパイヤ、マンゴー、いちご、パイナップル、ラ・フランス、ミモザ(アカシア)。

大根や菜の花、ルッコラ等のアブラナ科はあまり多く与えないほうがよく、また、ヒユ科のほうれん草やスイスチャードを筆頭にナス科(なす、とまと、ピーマン、ししとう)、柑橘系は全般的にダメです。イモ類もソラニンなどの関係があるのでダメです。

ひとまず食が基本となりますので、明らかに食餌量や水分補給量が減っている場合は、大好物を見つけて「いっぱい食べろよ!」という感じで与えてあげてください。

りんごなどは水分が多いので、下痢になることもあります。その場合は「乾き物」の量を増やしてみたりすると良いでしょう。

床ずれを最小限にする

うさぎが寝たきりになると、同じ方向に寝続けます。あまりに同じ方向ばかりだと床ずれになるため、逆側にしてやろうと思っても必死で嫌がります。

ということで、うさぎが寝たきりになるとずっと同じ方向で寝続けることになります。ということはその方向で下側になっている方が傷んできます。

我が家のうさぎは、足などが禿げてきていました。

小動物用ベッド

寝たきりになることを想定せずに、冬の暖房用にと小動物用ベッドを今年の春先に買っていました。夏の間は使っていませんでしたが、8月に寝たきりになったため、床ずれ防止用にとベッドで寝てもらうことにしました。

絨毯の上にペット用おしっこシートを敷いてその上に小動物用ベッド、そしてシーツ代わりにお尻側体半分におしっこシートを敷いてという感じになりました。

ここでアフィリエイターなら、うさぎ用ベッドやおしっこシートを売ろうとするでしょうが、特にそうした専用のものでなくても体重がかかる側の負担分さんになるのであれば何でもかまいません。

座布団を改良してもいいですし、使わなくなったバスタオルなどでも良いです。おしっこシートに関しては、ホームセンターやドラッグストアなどで犬猫用の物が売っていますからそれで十分です。サイズが大きいようなら半分に切って使っても大丈夫です。

うさぎも寝たきりになれば床ずれになるということで、体が当たっている部分の毛が抜けてきますが、獣医によると、毛が抜けていることはそれほど問題ではなく、その部分が擦り傷的に傷口となり、おしっこや糞がはりつくことで炎症を起こしたりすることのほうが問題だということでした。

ということでうさぎの下の世話です。

うさぎの下の世話

高齢うさぎの介護の実態ということで、うさぎの下の世話です。場合によっては、体を起こしてあげるとうまくおしっこをしてくれるうさぎもいるようですが、元々斜頸だった影響からか、うちのうさぎは寝たきりになってからというもの体を真っ直ぐに垂直にされることを嫌がりました。

つまり寝たきり状態から起こすと嫌がるという感じです。ですので、おしっこや糞は寝たきりのままです。

いくらうさぎの体の下におしっこシートを敷いていても、やはりお尻付近は汚れていきます。

うさぎの入浴

うさぎは普段風呂に入れる必要はないのですが、やはり床ずれ箇所の炎症を考えて、風呂に入れるべきかどうかということになりました。

もしお尻を綺麗にする場合は、うさぎをバスタオルで包んでお尻だけゆるくシャワーをあてて水で洗っていくという感じのようですが、暴れるからといって、足を押さえると、その力みで腰を痛めることがあるので、足はブラブラにしておく必要があるとのことでした。

ストレスを考え、入浴させないなら

しかし、我が家のうさぎは高齢であり、かつ、昔からそうした入浴を経験したこともないため、急な出来事にストレスを感じるのも何なのでということで、汚れを水でほぐして拭き取っていくということをやり続けました。

使わなくなったシリンジに水を入れて、汚れている箇所に水を垂らし、ひたすら指で汚れをほぐして拭き取っていくという職人のような作業です。

水が冷たすぎてもストレスになると思ったので、多少シリンジを握って僕の体温で温めつつという感じです。

そうした下の世話は毎日というわけではありませんでしたが、毎日一応大雑把に拭き取りつつ、二、三日に一度は1時間以上かけて拭き取ったりしていました。

炎症箇所には抗菌クリーム

うさぎとしても寝たきり状態が続くと、どうしても床ずれになり、足などが赤く炎症を起こす場合があります。うちのうさぎの場合は、以前に足に炎症があった時に獣医に処方された抗菌クリームがあったので、今回も「赤くなっている場所」に関しては、獣医と相談の上でそれを使用していました。

これは動物病院で処方してもらったものですので、寝たきり状態になった時に獣医に相談すれば処方してもらえるものだと思います。

うさぎの涙

寝たきりになってからと言うもの、うさぎはよく涙を出すようになりました。

もうその涙で床側の顔は潰れるようになっていました。目頭あたりの毛は抜け、ほっぺたもペタペタに近いような状態です。もちろんそちら側の目は閉じたままでした。

上側の目は寝たきり前と同じような感じでしたが、涙の量は増えていました。そこで顔中がペタペタになってきました。

そういう状態だったので、少しでも普通の状態に戻していこうと思い、下の世話と同様にシリンジで水を垂らして毛をほぐし、ティッシュで拭き取るという感じで、涙で固まった毛をフサフサに戻していきました。

ひとまず目に水が入らないように細心の注意を払いつつです。基本的には指でほぐしていましたが、使い終わった歯ブラシを使う時もありました。

寝たきり状態になってから、体を起こされることを嫌がったので、床側の方はなかなかできませんでしたが、手のひらに水をためて、という感じで出来る限りほぐしました。

うさぎのほっぺたを手のひらで包んで、という感じでしていると、合間合間に養子のうさぎは僕の手のひらを舐めてきました。ファミリータイム、という感じです。

うさぎの体に手を当てる

うさぎが倒れたのは8月半ばでしたが、それから80日間生きていました。そういうわけで、気温も涼しく、寒くなっていきました。

10月に入ってから、家族の誰かが提案したのか、うさぎの保温のためにフェイスタオルを掛け布団にするようなスタイルになっていました。まさに人間さながらです。

食餌や水分補給、投薬、そして下の世話等々の他、何かできることはないかということで、ずっとうさぎの体に手を当てていました。マッサージとまではいかなくても、という感じです。

以前は本格的にマッサージしていましたが(うさぎのツボとマッサージマッサージでうさぎの斜頸&片足不随を治す)、寝たきりになってからというもの、しっかりとしたツボ押しは刺激が強くて嫌がる様子でしたので、ひたすら「手当」です。

遠隔歯軋り的に手当です。変な感じですが、これは開眼後の神通のようなものです。まあいわば気功治療のようなものでしょうか。しかし、老衰に対して、寿命に対しての抗いには意味がありません。ひたすらなるべく安楽であり、苦しみなきようにという感じで気を送り続けました。

老衰や寿命には抗うな

これは自分のおばあちゃんが末期の時にも同じことを続けていました。それは、老衰や寿命に対して、それに抗うように命あるものの命を延ばしたいという執着とは少し違った感じです。

もちろん寝たきりなので床ずれ防止の意味を兼ねて、体を少し浮かせたりしつつ、全身を温めるようにして手を当てていました。

末期の動物に対して「治そう」というのは少し違うと思います。なぜならそこに生命に対する所有という概念があり所有に対する執着があると、それはノイズとなるからです。

動物に対する気功治療のようなものもあるようですが、そうしたものにすがるわけでもなく、家族が送ってあげるのが一番です。

命あるものは、同じ空間にいると同調します。

だから、周りの人間が心配すると、その心配のストレスが伝わってしまうのです。

それは、動物にとってストレスになることです。だから、老衰や寿命を受け入れ、やれることだけはやり、必要以上の心配はしないことです。

そして、「安楽であれ、苦しみよ取り除かれよ」という、その動物に対する慈悲の念を最大限に保ちましょう。そして、その念をその場にいるうさぎなどの動物に限定すること無く、すべての空間に広げるようにしましょう。

統計的なうさぎの寿命、寝たきりになってからの寿命、そんなものはどうでもいいことです。

自分自身が安心したい、自分自身が落ち着きたい、そうしたことから離れ、ただ目の前にいるうさぎが、少しでも安楽となるように、苦しみがあるならば少しでもそれが取り除かれるようにと、目の前の現実を捉えることです。

うさぎの死 さようならわが息子よ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語のみ