実務家

諸君の実務― それは諸君の最大の偏見である。それは、諸君の現場や、社会や、傾向に、諸君を結びつける。 曙光 186 前半

人にもよりますが、中高生の時は、つまらなさそうな大人を見て、そして、大学に進んだりすると、理論と実務との乖離に頭を悩ませる事があります。

勉強中にも首を傾げてしまうというようなことがよくあります。

例えば、「一票の格差」なんて言われる、議員定数不均衡問題などはわかりやすいのではないでしょうか?

ご存じの方も多いと思いますが、わかりやすく言えば、20万人の都市から一人、100万人の都市からも一人、という議員選出の構造は、憲法の「平等原則」から見たら明らかにおかしいでしょ?ということです。

理論上は20万人都市の人が100万人の都市の人の票で言えば5票持っているのと同じですから。

で、「憲法違反じゃないか」ということを裁判所に訴えるのには、まず選挙が行われるということが必要になります。

で、その後に裁判で「違憲ですね」ということになっても、「でも選挙をやり直すというのもなんですし、今回の選挙の結果は有効ということで」

ということになっています。

「憲法違反です」という解釈なっているのに、結果は変わりません。違憲のまま結果が有効になっているのです。

変ですね?

よく文系の大学院に行った人を企業があまり採用したがらない、というのは、頭でっかちというような面で使いにくいという面がほとんどですが、理論と実務のあまりの乖離に、絶望する人が多いからではないでしょうか?

なまじ頭が良すぎると、勤め人は向いていません。プログラマーのような、技術タイプの人ならいいのですが、既に決まりきっているような仕事をこなす場合、理論と実務の差に苛立ちを感じ、パワーが発揮できない人が案外多いのです。

その理由は単純で、仮に効率の良い仕事の仕方を思いついても、長年勤めて心理的盲点だらけの上司の方に権限があり、なかなか採用されないからです。

本当は入社したての頃に感じる「違和感」のほうが正しいのですが、様々な諦めと惰性によって形成された社風のほうが優先されます。

規定外の要因

そして、変なことに「正しい人のほうが損をする」という構造がよくあります。

よくあるのは有給休暇の取得などですね。有給休暇の最低限の日数は法律で決まっています。

でも社風で「有給休暇を取っている人はいません」という事になっている場合、なかなか取得の申請をすることはできません。

で、専門家に相談しても

「有給休暇取得の申請をしてもいいですが、職場の空気が悪くなりますよ」

とか

「出世に響かなければいいんですが」

といって、まともに相手にしない人もいます。

法律上の権利自体はあるものの、「出世」というような人事評価的な「規定外の要因」を意識するあまり、正常に運用されていないものもたくさんあります。

残業代も本当は1分単位ですが、「勤務時間中のトイレに行った時間はどうなるのか?」などなど、厳密に考えると微妙になってしまうような事柄がたくさんあります。

そうして、複雑に絡み合った構造がたくさんあり、規定があっても机上の空論化していることがよくあります。

こうなると、学んだことと実際の運用が異なることにストレスを感じるでしょう。

そういうわけで、勉強しすぎた人は、ストレスを感じやすく他のことにエネルギーを消耗してしまいやすいので採用されにくいという感じです。

実務家  曙光 186


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