大和鳥兜(ヤマトトリカブト)烏頭(ウズ)

大和鳥兜(ヤマトトリカブト)はキンポウゲ科トリカブト属多年草。漢名は烏頭(ウズ)、生薬名は附子(ぶし)など。日本にはトリカブトの仲間は約30種あり、この属のものはすべて有毒。キンポウゲ科トリカブト属は、トリカブト属が30種、変種が22種と仔細に分類されています。

ヤマトトリカブトは、本州中央部に分布し、花は青紫~紫色または白色で、鳥兜という字のごとく、その形が鶏冠っぽいことからトリカブトと呼ばれます。秋に茎の上部に5枚の萼弁から青紫系で兜状の花をつけます。紡錘形で黒褐色の根を持ち、春になると茎を伸ばして秋に開花します。

トリカブトは極めて有毒で、ドクウツギ、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つです。なお、トリカブトは、北半球の寒帯から温帯にかけて広く分布しています。ちなみにサンヨウブシという無毒のトリカブトもいるようです。

薬としてのトリカブトの利用

しかしながらトリカブトは、漢方の重要薬、「附子」であり、神経痛の痛み止めとされ、塊根を種々の操作で毒成分を少なくした塩附子(エンブシ)、炮附子(ホウブシ)というものがあります。

烏頭(ウズ)と附子(ブシ)の違いは、トリカブトの親の根と子根の違いであるようです。花期が終わって実をつけ、株が枯れた後、親の根の脇に同形の子根がつき、翌年はこの子根から茎が伸びて生育する、という構造の中、親の根を用いるなら烏頭(ウズ)、子根なら附子(ブシ)という感じのようです。

また、漢方では鎮痛の他に、強心、興奮、利尿に応用するようです。烏頭(うず)は減毒加工がされていないので毒性が激しく、あまり用いられないようです。なお、天雄(テンユウ)という子根を生じなかった根も用いられるようです。

トリカブトは、日本三大有毒植物であり毒性が強いため、サスペンスドラマなどで毒薬としてよく紹介される植物ですが、少量の毒は薬になるという感じです。

この大和鳥兜(ヤマトトリカブト)、烏頭(ウズ)は、薬用秋の七草とされますが、安易に取り扱ってはいけません。

Category:植物

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語のみ