勇ましい人の最後の論拠

そろそろ一回胡散臭い「自称コンサルタント」について書こうと思いましたので、そろそろそんな人たちのことについて書いていきましょう。

最近は出張が多く、様々な企業とやり取りするようなことが多くなり、特にほとんど「コンサルタント」に近いような仕事の形態の比率も上がってきました。

しかしながら世の中には自己啓発に感化されただけの「自称コンサルタント」や「自称コーチ」という胡散臭い人達がいます。

そうした人たちは自称の肩書上はコンサルタントやコーチなのかも知れませんが、いわゆる一般的なコンサルタントやコンサルティング会社とは全く異なるものであり、だいたい自己啓発に洗脳されているだけだったりします。

ちゃんとした経営コンサル会社

以前、小売店などを対象としたコンサル会社の社長と話したことがあるのですが、その方の会社のスタッフは、自分たちがコンサルに入った会社の売上を半年で200%にできないと、だいたいクビになるというシステムのようです。ちなみに300%にしないとボーナスは出ないそうです。

あくまで売上ですが、自分たちが介入するビフォーとアフターできっちり結果が変わらないかぎり、その経営コンサルティング会社では正社員といえどクビになります。

「やってみましょうか?」

くらいの感覚ではありません。実際にコンサルティングそのものを仕事にしているなら、結果が出なければ報酬は貰わないというくらいの覚悟がないと、無責任としか言いようがありません。

広告の打ち方やタイミングから、広告を見てやってきたお客さんへの対応の社員教育まで一貫してやっているようです。

裏を返せば、そのコンサル会社のお世話にならなければならないような小売店の店長や運営会社の社長は何をしているのか、という事にもなりますが、親から店を継いでという場合などは、やはりスキルが追いつかないのも仕方ないのかもしれません。

自称コンサルタントの典型

一方、いろんな社長が集まる場所にハイエナのようにやってくるのが「自称コンサルタント」です。

先日、仲の良い社長仲間と夕食にいった時のことです。

僕が言うまでもなく

「コンサルタントって名乗ってる人の90%以上がまがいものですよね」

と彼が言ってきました。やはり自らの腕で経営している「経営者」たちは同じことを思っているようです。

「だいたいドラッカー、ランチェスターあたりでしょ?」

と続けて言ってきました。

「それならまだマシですよ。ひどいのはナポレオン・ヒルとかその辺出してきますから」

誤解を避けるために言いますが、ドラッカーやランチェスター、ナポレオン・ヒルを悪く言うつもりはありません。

問題なのは彼らのまとめた書籍を読んだ程度で、「あなたの人生を変えます」とか「これで会社をV字回復させます」と堂々と宣言する「自称コンサルタント」です。

彼らは語るだけで、何も実務の提案などしてくれません。

つまり無責任です。

数字を分析するわけでもなく、市場を調査するわけでもなく、ただただブックオフに売っている本の内容をセミナーで聞いて、その内容をもう一度人に吹聴するだけで、「私は『先生』だ」と思いたがっているだけの人たちです。

自称コンサルタントを錯覚させる肩書

世の中にはたくさんの資格があります。

そして、別にその資格が悪いわけではないのですが、非常にその手の人たちを勘違いさせる肩書があります。

それは「中小企業診断士」です。

残念ですが、自らの腕で経営している社長たちに向かって、資格をとっただけの人が何をアドバイスできるのでしょうか。

数字の分析は税理士や公認会計士がやってくれます。「中小企業診断士」など、そんな人達や金融機関職員、経済産業に関わる行政人がオマケで取るような資格です。

他人の会社を診断などせずに、まずはその知識で会社の一つでも起こしてみなさい。

中小零細企業を侮る中小企業診断士

法律に抵触する恐れのあることにすら気づいていない「経費削減コンサルタント」

「コンサルタント」という肩書は、資格がいらないので名乗り放題です。

以前、「経費削減コンサルタント」という人にあったことがあります。特にそれほど話はしなかったのですが、一応確認のために聞いてみたことがあります。

それは名刺に書いてある「節税」という項目です。

残念ですが、税理士でもないのに、「個別具体的な税務の相談」すらしてはいけないということすら知らない、という絶望的なタイプの人です。一応無償でもダメですからね。

まあそんなことを意識するとギムキョ感がしてしまいますが、「そんな根本的なことすら知らないのにアドバイスすんの?」ということです。

自信の無さから肩書に加えだす人たち

また、これも非常に多いのですが、社労士や行政書士など、失礼になりますが、「微妙な士」の方々は、「覚えてもらおう」と、よく変な肩書をつけたり、「経営コンサル業務もしています」と言って回ったりしています。

弁護士の方などは名刺に「弁護士」とだけ書いてあるのに、行政書士の方は「インターネット行政書士」などと書いてあったりします。

ふう。

例えばですが、そんなインターネット行政書士の方が、西村博之氏や堀江貴文氏などと会う時に、堂々としていられるのか疑問です。

ひどい人になると、ドラッカー、ランチェスターなどの名前を使い、「ドラッカー講習もしています」と言ったりします。

本業に集中しなさい。

新興宗教的自称コンサルタント

今まで述べてきたタイプの人は少しトンチンカンですが、まだ大目に見れる人たちです。まだまだ彷徨っている感はありますが、まだ比較的まともな人たちです。

最低最悪なのは「自己啓発セミナー」のような、洗脳状態に近い「自称コンサルタント」です。

このタイプは、セミナーの価格などが異常に高かったりします。

数十万円単位で要求してきます。

その人達の決め台詞は、

「このセミナーで人生が変わるのだから、セミナー費用くらいはすぐに取り返せる」

というものです。

何度も触れていると思いますが、僕はこういうものに行ったことはありません。

ではなぜ知っているか。

それはそういうものにはまりつつある人達から相談を受けたり、SNSで嫌でもハマった人たちの「セミナー案内」のシェアを見せられたりするからです(もちろんシェアを見た瞬間にその人達とは「友達」ではなくなるか、フィード非表示にしています)。

たまに勘違いして、セミナーに誘ってくる人もいますが、だいたいは返り討ち、というか脱洗脳をしています。

自称コンサルタントのお客になる人

お客になっている人は、よほど欲深く、と思いがちですが、大抵は、新興宗教にハマるタイプか、死んだ魚の目のようなギリギリの人たちです。マルチネットワークにハマるような人もお客になるでしょう。

根本に自尊心の渇望感があり、また、欲も強いものの、行動に移すには自信のない人たちです。

「このセミナーで人生が変わるのだから、セミナー費用くらいはすぐに取り返せる。セミナーに参加するかしないかという決断も出来ないようでは、今後の人生もふらふらした人生になる。このセミナーはそんなあなたを変える」

いやぁ非常に勇ましいですなぁ。

勇ましい人の最後の論拠 曙光 494


公開後に胡散臭いコンサルの次はポンコツなコンサルというタイトルで、さらに胡散臭いコンサルタント、自称コンサルタントについて書いてみました。

胡散臭いコンサルの次はポンコツなコンサル

そうした胡散臭いコンサルタントやポンコツなコンサルタントを超越した、「洗脳系自己啓発コンサルタント」と実際に会い、その洗脳された様を確認してきました。

自己啓発洗脳の自称経営コンサルタント・コーチについては、「洗脳系自己啓発コンサルタントの実態」をご参照ください。

Category:曙光(ニーチェ) / 第五書

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