交渉の本質 アイツの判断による小手先のテクニックを追うな

なんだか久しぶりに会社経営と商いでも書いてみようかなぁ、ということで交渉の本質についてちょっとだけ触れてみましょう。

営業や交渉の現場において、例えばやり手の上司と同行するということがあると思いますが、そうした時に、アイツ目線でテクニックを盗もうとすると、小手先のテクニックばかりを習得し、結局すごい人材にはなれません。

実は社会のそうした現場でも、教える側としても「教えることと言えば…」ということになって、そうした小手先のテクニックを伝えてばかりいます。

しかし、こうした交渉のような局面では、「交渉術」みたいなものなど、本当に小手先であり、そんなものはすぐにひっくり返すことができます。

それにはどうすればいいか。

そんなことを書いていきましょう。久しぶりに結構実戦的ですね。

交渉する前からほとんど勝負はついている

交渉というものは一種の心理戦です。

だからこそ交渉は、それが開始される前から、ほとんど勝負はついているという属性があります。

その理由は、互いのパワーバランスです。

例えば一方が相手に対して権威性を感じているとすれば、その人は圧倒的に不利になります。

胡散臭いコンサルタントがコンサル料1回3万円なんて言っていても、関心のない人からすれば、3万すら惜しい。

でも、そうした「コンサルを頼むのに3万円は高い」といったことを思っていながらも、ビルゲイツ氏に対して「こないだ他のコンサルが3万円とか言ってたけど、あなたも3万円でやってくれますよね?」みたいなことは、よほどの達人かバカしか言えないはずです。

で、ほとんどの人は、こうした場合の有利な方、つまり権威性がある方になりたくて、色々と頑張っています。

そしてさらに、普通の神経では相手に失礼なことをしてはいけないとされていますが、失礼とすら思わないほどのマインドがある方が、パワーバランスでは上になります。皮肉なものです。

で、そうしたことに振り回されて、自分自身を評価するときも「自分はそんなポジションじゃないからなぁ」みたいなことで、わざわざ不利な方に立っているはずです。

かといって、それを奮い立たせるように、わざと弱い自分を隠すかのように横柄になっても、その本心は相手に見抜かれています。だから無理やり強気になってもパワーバランスで勝てません。

一般的にこの時に、思いついてしまうのが、自分のスペックを上げようとすることです。それ自体はいいのですが、「周りの人が認めているであろう一般的なスペック」の方を得ようとします。いわば劣等感の克服のようなもので、克服の方法として、周りの水準まで高めようとするようなことです。

で、そういう人は「英語」を勉強しだしたりだとか、MBAを取ろうとか、そういうことを考えます。

しかし、劣等感の克服としてそうしたことをしてみても、それほどプラスにはなりません。少しは自分自身で納得した分だけマシにはなりますが、イタチごっこです。自分が思いつきで始めたことを、ライフワークとして長年やっている人もいますから、上には上がいます。それほどの優位性は得ることができません。

すなわち、こうしたことは非常に遠回りな方法です。

交渉で有利になる人

その場の空間を仕切っている人が、交渉では有利になります。

相手に好かれようとしている人がいて、その相手とデート中であれば好かれようとしている人が不利です。

そこにスペックは関係ありません。

大人と子供なら普通は大人の方がたくさんの技能を持っているはずですが、気力不足の大人と大はしゃぎの子供であれば、子供が有利になることもあります。

特に「お願いする側」が不利というわけではなく、「自分を下げてお願いする人」が不利になるだけです。

だからこうすればモテるとか、こうすれば交渉で有利になるなんてな小手先のテクニックなどは、パワーバランスの前では何の役にもたちません。

何となく交渉が上手い人をみると、アイツ目線で判断した場合は、「こういうテクニックがあるのか」とかいうところに目が行きます。

しかしそんなことは譫言です。

結局権威性なのか?

そこで疑問に思われるのが「結局権威性なのか?」というところです。

権威あるポジションにいないと、結局負けるのかということです。

そこで、アイツ目線で判断した場合は、

「努力して自分の権威性を上げなければならない」

という結論を導き出してしまいます。

確かにリアルに接点を持つ前の予備段階であれば、そうした社会的な権威性もプラスになるでしょう。

直接会うことなく行うようなマーケティングなどであれば、そういう権威付けが功を奏すかもしれません。

ただ、もし個人同士で直接会って交渉するなら、客観的な権威性など要りません。

気迫で勝て

世の中にはすごく馬鹿なのに、交渉に強い人がいます。

いやもしかすると馬鹿だからこそかもしれません。

人は頭を使うと頭に血が上り、気も集まります。

それはそれで高度な思考のためには必要なのですが、実は直接会った時は動物レベルでの本能的な心理戦になっていたりします。

そう考えると腹に力が入らず、声が小さい人は、動物で言うところの小動物になり、アントニオ猪木氏のような威勢のよい人は、食物連鎖の頂点に立つ動物レベルの大きさになります。

動物同士として考えると、基本的には逃げるか戦うかですが、戦うという局面は、勝てるかもしれないと思ったときか、もうどうしようもないほど窮地に立っているときくらいです。ほとんどの場合は逃げます。それが一番賢明ですからね。

明らかにパワーバランスで負けている場合は、物理的にも逃げたくなりますが、ひとまず、相手に合わせて痛みを最小限にしようと無意識的に考えてしまいます。いわば心理的な逃げです。

ということで交渉で負けてしまいます。

そんな時はどうするか、それには2つの方向性があります。

少し実践的な方を先にお伝えすると、相手のフィールドから出てください。

まずは心理作戦のようなものへの対処法から。

「いやーようやく日経平均が回復しましたねー」

みたいな話題をふり、

「日経新聞を読まない人をビジネスマンとして認めない」

といったような

「日経新聞をどこまで読み込んでいるか」

といったフィールドで優位性に立とうとする人がいます。

そうして日経新聞の話をふられたら

「それがどうしたんですか?あまり役立たないので読んでいません」

という態度を取りましょう。それが本当のところですからね。

逆に動物的な気迫で、アニマル浜口氏のような人が、理不尽な要求をしてきたときです。

そうした時は、逆に知性的なフィールドに引っ張ってください。

そうすると相手も頭に血が上りますから、腹の力が弱まります。

「そんなことは関係がない」

と、やはり動物的にガンガン攻めてきたら、

理性的に

「こうした分野できちんとお話し合いができないのであれば、これ以上お話する気はありません」

と言えばいいでしょう。

さて、もうひとつは、相手が動物であるのならば、自分はフリーザにでもなることです。これは実際のスペックで競うという話ではありません。ただ、気迫で勝てばいいのです。

まあわかりにくければ、自分が普段ネズミで、相手がトラだとすると、ひとまず恐竜くらいにまでその場の空間での占有面積をおおきくするといったイメージです。動物同士でも体がでかさで判断しますからね。

しかし、言っておくと、フリーザでも恐竜でもサイズで言えば宇宙そのものには勝てません。つまり、宇宙と同じレベルの大きさになってしまえばいいのです。

宇宙と同じレベルになるにはどうすればいいか、それは、自分を消してしまうことです。自分という小さな枠組みを外してしまえばそれで終わりです。恐いものはありません。


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