テンションリダクション

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テンションリダクションとは、緊張と弛緩から自我の防衛機能が低下し、心理的に無防備になるという効果・現象である。緊張している状態からホッとして緩んだ時、その瞬間に心理的なガードが緩むことを意味する。

テンション(tension)は、物理においては張力、心理においては緊張を意味し、リダクション(reduction)は、減少や縮小、削減、還元と言った意味があるので、テンションリダクションとは緊張が弛緩するという感じになる。その時に自我は弱まり、心のファイアーウォールが弱まるという感じになる。

重要な出来事や重大な決断の時にそれをクリアや決断するまでは、緊張して身構えるものの、事が終わるとその反動でそれまでの緊張が一気に和らいで緊張状態が解ける。その時に心理的に無防備な状態になるというようなことがテンションリダクションでである。

そのような感じで緊張と弛緩から集中力が一気に切れる。なので、以前、お金を借りる人について触れましたが、お金を借りた人はその場で借りたことを忘れられるのということになる。

テンション・リダクション

テンション・リダクション

テンションリダクションによる心理操作

このテンションリダクションは、心理操作にも悪用される。よく自称占い師などが芸能人などをマインドコントロールする際に、先に恥や恐怖を味わせて、その緊張が解けて自我意識が低下している時に「アイツ」の代わりに占い師の思考がその人に入り込むという場合がある。自分で「アイツの枠内」から脱却することは良いが、占い師にアイツの代役を務められたのではたまったものではない。

それと同様に悪徳商法などでも意図的に緊張させておいて、それをほぐした瞬間に売りつけるというようなことがなされてるので、一瞬気の迷いが生じたとしても「テンションリダクションによる反応だ」というふうに心の動きを観察して、防御態勢を取るようにしよう。

もちろんそうしたテンションリダクションの構造が心理操作に効くということを経験則的に知っているという場合もあるが、占い師にしろ悪徳商法業者にしろ、最初からそうした緊張と弛緩という構造を流れとして組みながら予めマインドコントロールのプランニングをしているというふうに思っておくくらいの方が無難である。

また、テンションリダクションの構造は、DV被害に遭いつつその相手に対して依存状態にある場合にもよく見られる。殴られたのにその後に欠けられた愛のあるような言葉にふっとマインドコントロールされてしまう。そうした場面においてテンション・リダクションによる作用だと知っておけば、防御することができるだろう。

テンションリダクションと同じような形で、基本的に人は「驚き」などがあるとその瞬間に頭が真っ白になり、心理的なガードが緩む。そうしたせこいテクニックで心理操作を行ってくる人がいるので注意しよう。

緊張と弛緩から観る「今」のあり方

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Category:心理学

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